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いんちきリハビリ屋のいんちきだらけ(?)の学習帳
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月曜日の授業では、やはり時代の流れを痛感しました。
私の現役時代は、まだ「近く制定される介護保険制度の内容」を議論している頃で、「こんな感じになるだろう」くらいしか授業では習わなかったし、実際に行った老人保健施設での実習でも介護保険について肌で感じることはなかった。
でも、あれから数年が経ち、介護保険は社会に浸透し、なくてはならない制度と変化した。
それを授業で習い、「ああ、覚えること増えちゃったみんなは大変だなあ」と一瞬他人事に感じた私は、おそらくアホだ。


大丈夫、おそらくアホな私だけど、一応真面目に理解しようと取り組んだし、真面目に授業受けましたから。
(強調している時点でアホ丸出しだよ・・・)
で、アホ丸出しだけど真面目に聞いた私は、その「現場で感じられなかった」介護保険制度に基づいた老健の役割が大きく変わったことにびっくりしたのです。
勿論、老人保健施設は「病院と自宅(もしくは特養等の施設)の中間施設」という基本的な役割は変わっていないと思うのだけど、その「中間」に求められることが、かなり変わっていた。


私が見た老健は、個別訓練と集団のアクティビティがバランスよく(良いのか悪いのかは勿論施設によりけりだとは思うけれど)組み合わされた内容だったと思う。
ところが、2006年だっけ、その頃に医療保険適用のリハビリテーションを受けられる日数が制限されるといういんちきリハビリ屋的にも「ええっ?」な決まりができ、本当だったらまだまだ病院でリハを受けるべき状態の方が継続してリハビリを受けられない状態になってしまった。
それ以降は、「介護保険」適用でリハビリを受けなさいと、お国は決めちゃったのだ。
その流れを一手に受けたのが、「中間」施設である老健。
昨日の授業では、老健でも利用者さんに週2回以上「個別20分」のリハビリテーションを提供するよう求められるようになったと習った。
おそらく、利用者さんの大半は、病院で本来受けられる限りのリハビリテーションは受けられずに早期退院し、「中間」施設の老健へとやってきた方々となる訳で。

そこで、授業では、「老健のOTに求められること」として

「病院型の個別リハに対応できること」

と習った。
今は、私が見たのとは違い、老健が病院化しているのかな、と感じた。
勿論、それは悪いことではない。絶対。
でも、知的萩原先生が危惧しているのと同じことを私も感じたけれど、「個別20分」のリハを利用者さんみんなに行うということは、それだけ時間がかかる。
でも、OTがそれだけ時間をかけているのに、利用者さんにとっては、OTは20分しか提供されない。
今までならグループでのアクティビティやレクリエーションなどを行うことができたはずなのに、「個別」という決まりのせいで、利用者さんは「20分」以外はやることがなくなってしまうことになる。

・・・これって、いいんかいな?

OTの良さは、個別のリハができることだけじゃない。
集団力動を用いて、みんなで楽しんだり喜んだりする「幸せ」を提供することだって、ものすごーく大切だ。
20分、機能訓練を提供すれば、利用者さんのQOLはUPするのだろうか?
UPしない訳じゃないのは確かだけど、それだけじゃないはず。


私的にかなり尊敬できる知的萩原先生は、そんなことちゃーんと解っていらした。
「老健のOTに求められること」のふたつめとして、

「OTによる個別リハの概念をアピールする」
レクや手工芸、集団への誤解を解き、説明し、その効果を示すこと

⇒よって、OTによる「個別」は集団を利用することを訴えること!


先生、ありがとうございます。
そういう見方をできるOTがいるからこそ、利用者さん、患者さんのHAPPYな人生は作られていくのだと思います。
私はとても、頭が下がりました。
軽く、ファンです(はぁと
来年改訂される教科書を先生も執筆されているそうですが、欲しくて仕方ありません。
買ったらサインしてください。
多分、読みませんが。
(嗚呼、やっぱり私はアホだ・・・




さて、最後にその知的萩原先生が授業で示してくださったケーススタディから学んだことを。
先生のお話を聞くと、OTってマジシャンなんじゃないかと思ったりしたのですが、「いんちきリハビリ屋のマジシャンへ転向の入り口」を昨日見つけたので、発表します。
ケースは、突っ込んだ話をしようとしなかったし、聞かれたくない方だったらしい。
ところが、OTがひたすらそのケースの話に耳を傾けた、その姿勢を崩さなかったことで、ケースは生き甲斐を見つけたり、自分の生活をより良くすることを一生懸命考えるようになった。
OTがしたのは「傾聴」することだけだった。(もしかしたら勿論別のこともしてたかもだけど)


私には、治療の手技もなければ知識もない。
「治療計画を立てろ」と求められてもできなかった。
ボ○ースにも、強いアレルギーがあるし、そもそもボ○ースがどんなことをするのかも忘れた。
(でも、エガちゃんはOTにとっては分かり易いです。これは一応オススメしておきます)
そんな私だけど、人の話を聞くのは好きだ。
実習で出逢った患者さんとも、短い現場で出逢った利用者さんとも、いろんな話をした。
とあるおじいさん(症状のせいで病棟の問題患者さんだった)からは、奥様との馴れ初めを聞いた。
「風と共に去りぬ」の封切りを観に行ったそうだ。
私は、なんにも持ってないけど、話なら聞けるかもしれない。
勿論マジシャンになれる訳じゃない。
でも、聴くことができるようになれば、マジシャン志望になれるかもしれない、と思った。

話を聞く、プロになろう。
それを目標にしよう。



やっぱり私はいんちきだなあ。

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無題
さっそく出没(^_^.)
そうだそうだー なるほどなぁ とブログを拝見しながら首を上下に振って読ませてもらいました。

ソーシャルワーカーの立場(老健では支援相談員)からみてのリハビリ屋さんは…老健は中間施設というあいまいな位置づけ(^_^.)なだけに、誰に対してもどうリハビリ計画を立てて実践していったら良いのか目標設定する事は即出来たとしても、それを実践する上で常に問題課題があり、うまくアプローチできずに葛藤しながらリハビリに取り組まれている印象があります。

他の専門職もそれぞれの専門領域での問題課題に葛藤してると思いますが^_^;ソーシャルワーカーも葛藤してました(苦笑)
お国が決められたお決まりと現場での矛盾や課題やらでさらに。。。


>週2回以上「個別20分」のリハビリテーションを提供するよう求められるようになった
一見 平等に思えるようなお決まり条件に感じるけど、実際の現場では困惑してる施設、ほんま多いと思います。
ただ、人員配置上の問題で1日に施行できる個別リハビリの定員限度があると思うので、その問題点だけで判断してこのようなお決まりが誕生してしまったのでしょうか・・・??

1つ、こんなケースがあったんですが・・・
70歳代の男性利用者で、認知症軽度(たまに物忘れある程度で疎通良好)・車椅子自走可(短距離なら杖歩行可)な方が長期間入所(=転所先の他施設老健入所待機待ちの為)されてて、レクレーションを好まれず個別リハを生きがいにされている。…といってもADLほぼ自立で問題点も見られないという事で個別リハ訓練対象から除外されてて、毎日足腰疼痛緩和目的でマイクロされている方がいました。
その方にとっては、たかがマイクロでもリハビリだという生きがいに感じられてて、しまいには朝夕頻繁へとエスカレートし、最終的には無断使用や2台しかないマイクロを占領されるようになり、日中利用されている通所リハビリ利用者が使えないから苦情でてるんで本人に説得して欲しいと現場から要望が出ました。

別の相談員が本人に説得(①無断使用禁止、②リハビリは1日1回まで)し、本人は理解して頂いたようですが・・・。

確かに集団生活の場であるので、病院と同じようにある程度の規定を設けないと後々利用者間や利用者スタッフ間でトラブルを生む事にもなるので必要だとは思うのですが・・・なんだか、その方ご自身の生きがいまでもを取り上げてしまってるような感じがして ちょっとかわいそうに感じました。でも、当時の当施設の現状ではやむを得なかったのですが・・・。

老健は中間施設で安心して在宅復帰できるように支援するとうたってますが、本当に在宅復帰を目指されている利用者家族さんがおられるとリハビリ屋さんも相談員も熱意持ってやりがい感じる、でも今のご時勢 在宅復帰を考えられている割合 なんて低いコトでしょう。。。(T_T)
大半は終身施設利用を望んでいる家族さんが多いし、本人が在宅復帰したくて個別リハビリ望んでいても家族側に決定権で曲げられてしまうコトもあったりする・・・。

また、spicaさんがおっしゃるように「20分、機能訓練を提供すれば、利用者さんのQOLはUPするのだろうか?」本当そうだと思います。
ADL改善の見込みが確実にある方で、早期に改善変化が見られる利用者ならUPするかもしれないけどそういう方の割合って極小。

昔に比べて少なくなってきたと思うのですが、まだまだ利用者家族もリハビリ効果を過大に期待されている方が多いような気がします。ADL改善見込みは難しく現状維持レベルな方ほど・・・。

うーーむ。。。
老健だけに限らず、病院でもおそらく今新たな課題に困惑されているのが現状なんでしょうね・・・。

介護保険成立、ワタシも期待していたけど・・・昨年改正された内容からしても、本当に介護が必要な方の為の制度になっているのか??って制度の目的と矛盾していて疑問感じる点が多いですよね((+_+))

コ○スン問題も、現状の介護保険制度のままでいたらいずれこう行った問題が出てくる事も予測できていたはずなのに・・・。コ○スンさんだけに限らず、お国の決めた民間事業者導入のゆるい枠組み設定にも充分問題アリだと思います。


あ、、、今夜はすみません
久しぶりの書き込みで色々話が脱線しまくってしまった
お許しクダサイ^_^
亜希子 URL 2007/06/16(Sat)00:55:04 edit
ようこそいらっしゃいませ☆
>あっこはん('-'*)♪

・・・見に来ておくれと言いつつ、返信がなかなかできずごめんなさい。
ネット、復旧したかな?

老健というお題をあっこはんに出したら間違いなくアツク語ってくれるに違いないと思っていたら、大当たりでした(笑)
コメント、ありがとうです。


ソーシャルワーカーから見たリハビリ屋(もしくは他職種)も、やはりいろいろな問題と葛藤しながら仕事をされているのですね。
施設にもよるけれど、実際リハ職として「こうあるべき」な「理想」と現場の「現実」に隔たりがある場合ってとても多いと思います。
それはまたどの職種の方にも言えるわけで・・・
ソーシャルワーカーさん達も、様々な問題を抱えながら相談業務に乗っていらっしゃるんだろうな。
その上、国が良いんだか悪いんだかいろんな決まり事という名の制約を作っていくという、本当に良いんだか悪いんだかな日本の医療福祉の現状がありますよね。

「個別20分」も、本当に必要な取り決めなのか?と悩めるところです。
個別に対応できる時間を多く取るのは悪いことではないけれど、それだけ時間がかかり、今まではグループ活動などに充てられていたはずの時間がどんどん削られていく。
結果的に「リハビリ的関わり」を利用者さんに提供できる時間は逆に減ってしまうことになります。
うーん・・・


あっこはんが示してくださったケースについて、こうしたらどうかな、という私なりの考えを書いてみます。
疎通が良好とのことなので、まずは
「1日1回のマイクロ利用を保証する」
そして、レクリエーションを好まれず、リハビリが生き甲斐なら
「個別対応しながら、『リハビリ以外の生き甲斐・楽しみ』を一緒に模索する」
なんてことができたら良いなあと思いました。
リハビリしか生き甲斐がないのも、ちょっぴり寂しいですしね。
生き甲斐があるだけでもこの方にとっては充分幸せなことだけれど。


介護保険制度、なくてはならないものとなったけれど、問題は山積みのようですね。
少しずつ、良い方向に、日本の現状に即した内容に改正されていくことを願います。
【 2007/06/18 11:12 spica 】
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